インプラントは危険なのか

まず、危険なインプラントとは何か?

まず、最初に「危険なインプラントとは何か?」ということをはっきりさせておきたいと思います。

インプラントというネジの形をしたチタン製の金属そのものが体に毒だ!とかインプラントをさわると病原体が伝染するというわけではありません。 「インプラントの危険」を心配する人は、つまりのところ「インプラント手術を受けた場合の不利益」もしくは「インプラント治療を受けた場合の損失」を「危険」と言っているのだと思います。

もちろん、歯科の分野に限らず、あらゆる手術には、リスクはつきものです。

結果保証を求めるということ

例えば、口腔外科の分野で比較的簡単といわれている「前歯の抜歯」でも、100%の安全は保証できません。ほぼ100%の人が抜歯手術によって死亡しないとしても、手術を受ける前から手術成功が分かっているとか、死亡しない事が決定しているという事はないのです。

インプラントドクター

抜歯をすれば、偶発症というものがあります。抜歯途中で歯の根の先端が折れて骨の中に残ったり、歯を抜いた後の傷の治りが悪くて化膿してしまうとか…です。

結果は、やって見ないと分からないというのは、当り前の話です。

もちろん過去のデータや経験からある程度の予想はつくものです。例えば、ヘビースモーカーは、抜歯か治癒不全になりやすいとかです。このように結果を予想するならまだしも、100%の安全を結果を保証できるかというと、そんな事は不可能です。

繰り返しますが、手術の成功や、治療後の良好な経過は、その時が来ないと分からないものです。未来は、現在の時点では分からないというのは、あたりまえのことですね。

インプラント治療を受けたい患者であれば、成功率は100%ではないと聞かされていても、「自分だけは成功したい」と思うものです。しかし、医療機関に無理を言っても、結果が良くなるわけではないはずです。

絶対に成功を保証しろ!という困った患者

モンスター患者

モンスターペイシェントという言葉をご存知でしょうか?

簡単にいえば、「ペイシェントとは患者のことです。つまり、不条理な要求を突きつけてきて医療関係者を困らせる患者」をいいます。

たとえば、「絶対に成功を保証しろ!」「後遺症が出ないことをやる前に約束しろ!」「痛かったからお金は払わない」「途中までやったけど、最後までやらずに治療をやめることにしたから一切の治療費は払わない」などの要求です。

この様な無理難題について、無理を言っていると感じる事が出来ずに「自分が正しい」と思っているところがモンスターというわけです。

本来は、治療を受けたら治療費を払うのが当り前なのですが、モンスターペイシェントは自分が払いたくないと思ったら払いません。自分の行動こそが正しいと思っているのですから、裁判所から支払い命令が来ても無視します。困ったものですね。